第2章 純粋だから狙われるのです(ヴァンパイア組)
「あーーっ!!モリガンが名前を口説いてるー!!」
フェリシアに見つかった事により、モリガンはしぶしぶあたしから離れた。
マジ、危なかったー……
「仕方ないわね、この続きは夜にでも」
「え、続きなんてあったの」
もうこんなのは懲り懲りだと思っていると、フェリシアに抱きつかれ、モリガンとリリスから引き剥がされた。
「だーめ!名前は物質界でアタシと一緒にミュージカルやるの!」
「え、初耳なんすけど」
あたし、何回「え」を使えばいいんだ……
「ってか、何の話だいフェリシア」
「えー?一緒にミュージカルするのー。『ふしぎ遊戯』がいいなー」
「ここで中の人ネタは止めようね」
いつからそんな話があったんだ。
当の本人は知らないってどゆこと。
「あら、フェリシア。貴女色仕掛けするようになったのね」
「違うよーだ。モリガンと一緒にしないでー」
「ミュージカル楽しそう!リリスも出たい!」
三人(正しくは二人)が火花を散らしていたので、あたしはその隙に退散するとした。
最近のあたしの悩み。
それは、ダークストーカー達から囲まれる時間が増えている事。
仲間だから、当たり前かもしれない。
いや、仲間なら、何の問題もない。
でも、彼ら彼女らが、本当に仲間という目で見ていないとしたら……
夜はこれから。
さて、今夜は無事に寝られるかな?
END