第2章 純粋だから狙われるのです(ヴァンパイア組)
「危なかったね、名前」
「いや、一応避けれたんすけど」
「あら、強がりばっかりね」
「あんたら神を何だと思ってるんすか」
リリスに抱えられた事により、あたしは結果的にデスフレーズを回避していた。
「じゃ、名前は貰っていくわよ」
「なっ!アタシは放置アルか!?」
「レイレイちゅわん!邪魔者も居なくなったシィ、オレとお茶しに行こうゼェ!」
「そもそもオマエが元凶アルよ!!」
レイレイのチェーンコンボによってザベルがボコられていくのを、あたしはただただ空中で眺めるしかなかった。
「ってか、そろそろ降ろしてもらえません?そもそもあたし浮けるし」
「えー。離したら名前がどっか行っちゃうからダメだって、モリガン言ってたもん」
「モリガン……」
「ふふっ、本当の事でしょ?」
モリガンは横でのうのうと笑ってやがる。
リリスも、あたしを抱えるのキツいだろうに。
「リリス、あたし重いだろ?腕疲れただろ?自分に正直になってもいいんだぜ?」
あたしはそう言ったが、リリスはけろっとした顔で、かつ頭にはてなを浮かべていた。
「名前は全然重くないよ?っていうか、リリスには少し軽過ぎるかな」
くそっ、格ゲーキャラは女性陣までマッチョかよ!
「そういえば、デミトリにも追いかけられてたわね」
「見てたんなら助けろよ!!」
「でも、モリガンがまだ早いって言ってたから」
「君はもう少し自主性を持とう?」
じしゅせーって何?みたいな顔をしたリリスに対して、あたしはただ、ため息をつくしかなかった。