第5章 ヤキモチー赤葦京治の場合ー
目を覚ますと白い天井が目に入る
どこ…ここ
…ダダダダ
ガタンッ!
「先生…」
ん…?この声
「あら、木兎くん
妹さんはベッドで寝てるわよ」
やっぱり…
『お兄…ちゃん』
カーテンを開けるといつも元気な
お兄ちゃんが青ざめていた
「良かった…
xxxが倒れたって聞いたとき
めちゃくちゃ焦った」
そう言って私を抱きしめた
『…ごめん…
ごめんね、お兄ちゃん』
コンコン
ノックをして入ってきたのは
赤葦くんだった
「失礼します
…木兎さん、先生が呼んでましたよ」
「そか。さんきゅ、赤葦」
お兄ちゃんは行ってくるというと
保健室を出ていった
「体はどう?」
『ぐっすり寝たからもう大丈夫
め、迷惑かけてごめんね…』
「別に」
『そっか…』
どうしよう…
気まずい
ガラッ
「あ、京冶やっと見つけた」
ドアを開けて入ってきたのは
赤葦くんとよく居る女の子
「華奈、もう終わったのか」
2人とも名前で呼びあってるんだ…
赤葦くんってなかなか人の事名前で呼ばないのに
「うん、帰ろー」
『あ…』
行かないで
私は思わず赤葦くんの服を掴んでいた
『っ…ごめんなさい』
私は伸ばした手を引っ込めた
2人の邪魔しちゃダメ…だよね
『わ、私もう行くね』
その場にいてもたってもいられなかった
これ以上は涙も堪えられない
「xxx、待って」
急に腕を引かれた
『っ…あ、赤葦くん…』
「泣いてる」
『ち、違うの!
これは目にゴミが…』
急に体が引っ張られたかと思ったら
赤葦くんの腕の中だった
「ごめん、泣かせるつもりは無かったんだ」
『え…?』
「実は華奈は俺の従兄妹なんだ
その…xxxがホントに俺のこと好きか
華奈に協力してもらって試してた
xxxは優しいから他の女の子と
仲良くしててもヤキモチ妬いてくれないし」
赤葦くんは謝りながら
私を抱きしめた
『そんなことないよ…
赤葦くんが他の女の子と2人で居ると
胸がモヤっとするの
でも、何か理由があるはずだし
こんなこと言って赤葦くんに迷惑かけたくない』
「xxx…」
私を抱きしめる腕の力が強くなった
「キスしたい」
『え!?』
「ダメ?」
『だ…』
「だ…?」