第1章 私の生活
襖を開けると、すぐ目の前に誰かが立っており、危うくぶつかりかけた。それと同時に、その人物が即座に私へと振り返る。
「あーっ、いた!もう、見当たらないから心配してたのよー!」
「テンテン!ごめんね、中庭に行ってたの。まさか来てくれるなんて思わなかったよー!」
「なーに言ってんのよ、来るに決まってるじゃない。遅れてだって来るわよ!」
そう言ってウインクをするお団子ヘアの彼女は、テンテン。ここにいる女の子の中で1番年上。ハードな任務が多い班の為、普段はなかなか会えない。忍具使いNo.1。頼れるお姉さん。
「テンテンの言う通り!久しぶりですね、まみ。また会えて嬉しいです!」
「久しぶりだね!そう言って貰えて嬉しいよ。こっちにいる間、宜しくね!」
「こちらこそ!」
髪型と眉毛、格好に特徴のある彼は、ロック・リー。テンテン同様、彼も年上。いつだって熱く燃えている彼は、相当な努力家。
「いい加減離してやれ。そこにいたらまみ達が入れないだろう。」
「そうだった!ごめんね、まみ!」
「ううん!ネジ、気にかけてくれてありがとう。よかった、ネジも元気そうで。」
「お前も変わらないな、まみ。」
黒髪ロングを緩く束ねた彼は、日向ネジ。同じく彼も年上であり、この中で唯一の上忍。ガイ班を上手くまとめているのは、正しく彼。
年上組、全員参加。
「よーっし!全員集まったことだし、そろそろ乾杯しよーぜ!」
ナルトの呼び掛けにより、目の前にあるコップを各々手に取る。
「えー、それではー、まみが木ノ葉に帰って来たことー・・・と、皆で集まれたことを祝してぇーっ、」
「「「カンパーイ!!」」」
ナルトらしい乾杯の挨拶で、皆の顔に笑顔が宿る。
きっと全員が集まれたのは久しぶりのことなのだろう。皆が心から楽しんでいるのが一目で分かる。
まぁ、私もその中の1人なのだけれど。
「・・・よし、頑張らなきゃ!」
皆がいてくれると思うと、自然とやる気が出てくる。木ノ葉に帰って来たという実感、木ノ葉の人間・・・そして“忍”として過ごすという意識が、だんだんこみ上げてくる。
そう、私は元々木ノ葉の人間ではない。
“異空間忍術者”である私は“木ノ葉では忍者”として、“日本では学生”として生活している。