第1章 私の生活
「まみーっ!」
「へ、・・・わああっ!!なっ、ななな何!?」
「ちょっとー、いくら何でもビックリし過ぎじゃない?アンタに会いたくて急いで来たんだからねー?」
「そっか、ありがとう・・・って、いきなり後ろから抱きつかれたら誰だってビックリするでしょ!!」
「まぁ、それもそうね。」
ごめんごめん、と舌を出して詫びる綺麗なブロンズヘアの彼女は、山中いの。大人びた容姿で忍服も露出が多くセクシー。THE女子。面倒見がよく、こうして私にもよく構ってくれる。
「い、いの〜!ちょっと待ってよ〜!」
「やーっと来た・・・。もー、遅い!」
「ハァ〜・・・やっと着いた!置いてくなんて酷いよ、いの。」
「アンタが、最後の一口、とか言ってモタモタしてるからでしょー!」
「これでも僕なりに急いだんだけどなぁ・・・。あ、まみ、久しぶりだね。ポテチ持って来たから、後で一緒に食べようよ。」
「ありがとう(笑)。あ、私もお土産に持ってきたよ、ポテチ!」
やったー!とポテチを片手に喜ぶ彼は、秋道チョウジ。最後の一口にかける情熱は凄まじい。普段は温厚だが、禁句である❝デブ❞という言葉にはかなり敏感。木ノ葉に戻る際の彼へのお土産は、いつも私の世界の食べ物なのである。
第10班、全員参加。
いのとチョウジが中に入り、待っててくれたキバと赤丸と共に中庭へと足を進めた。木ノ葉の敷地は基本的に大きく、私の世界ではそうそうない広さ。もちろん、シカマルの家も広い。
「ゴメンな、赤丸。暫くここで我慢してくれ。」
「でも、部屋の目の前だから安心だね。それに広いから窮屈じゃないよ。」
「まぁ、そうだな。後で何か食いモンやるからな。」
「ワン!」
赤丸を中庭に残し、キバと玄関から入り直す。
「んで、今回はどんくらいこっちにいれるんだ?」
「んー、何回かは向こうに帰らなくちゃいけないけど・・・ざっと1ヶ月位かな。」
「あのよォ、いつも思うんだけど、一々行き来すんの面倒じゃねぇ?」
そう、私は訳あって、自分の住む❝日本❞と❝木ノ葉❞を行き来している。まぁ、詳しいことは追々説明するとして・・・
「うーん・・・でも一瞬だしね。それに、もう慣れたよ!」
ふーん、と少し唇を尖らせて返事をするキバ。そんな彼を横目に、私達は皆が集まる部屋へと向かう。