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ひらりと舞うが木ノ葉

第1章 私の生活


「言った傍から食うのかよ。」

「だって食べ物だし。ちゃんと味わって食べてますー。」

「噛み砕きながら言う台詞じゃねーだろ。」


そんな冗談交じり会話をしながらの帰り道。決して近い道のりではないのに、それさえ気にならなかったのはきっとこの時間が楽しいと感じていたせい。


「・・・まみ?」


曲がり角に差し掛かった時、正面の少し離れた所から聞き慣れた声が私を呼んだ。


「ん?・・・あ、サクラ!」


その声に、曲がろうとした足を止めて正面をよく見れば、そこには数冊の書物を抱えたサクラの姿。


「ビックリしたー!ちょっと、いつの間に戻って来てたのよ?」

「さっきだよ。綱手様に挨拶して来た所なの。」

「そう。近くの部屋にいたのに、資料の整理をしてたからか全然気が付かなかったわ。これからシカマルの家?」

「うん。夜は宴会って聞いたんだけど、サクラは来れそう?」

「もちろん行くつもりよ。資料整理が終われば今日は帰して貰えるはずだから。」


綱手様からお使いを頼まれなければ・・・。そう言って肩をすくめて笑うサクラは、綱手に期待されているだけあって修行に手伝いにととても忙しそう。


「それじゃあ私は仕事に戻るわ。シカマル、まみのこと頼んだわよ!」

「・・・へいへい。」

「サクラ、頑張ってね!」

「ありがとう。また後で。」


小走りで去るサクラの背中が遠くなるのを確認して、私達も足を進めた。


「お久しぶりです、シカクさん!ヨシノさん!」


奈良家に着いて玄関の戸を開けるなり、シカマルの両親であるシカクとヨシノが揃って出迎えてくれた。


「おう、まみ。見ない内にまた綺麗になりやがったな。」

「おかえり、まみちゃん。また一緒にいれるなんて嬉しいわ。自分の家だと思って気楽に過ごしてね。」

「はい、またお世話になります!」


元々木ノ葉の人間だった訳ではない私は、こっちに来る度に奈良家でお世話になっている。そもそも三代目火影・猿飛ヒルゼンからの命令であったが、五代目になった今でも、こうしてシカクとヨシノの厚意に甘えさせて貰っている。後に五代目が用意してくれた自宅はあるものの、それまでお世話になっていた奈良家に帰って来るのがどうしても当たり前になってしまっている。
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