第1章 私の生活
彼の家に荷物を置かせて貰い、2人である場所へと出向く。
「ご無沙汰してます。」
「よく帰ってきてくれたな、礼を言う。元気そうで何よりだ。」
「とんでもありません。一定期間ですが宜しくお願いします、綱手様。」
そう、ここは火影室。目の前に座って私を見上げるのは、五代目火影・綱手。
「見ない内に顔付きもまた大人びたな。・・・と、雑談はここまでにしておいて・・・早速だが明日から修行にあたって貰う。暫く振りで身体も訛っているだろう、取り戻すのは早い内がいいからな。」
「はい。」
「だが、今日は久しぶりの木ノ葉だろう、仲間にでも会ってこい。」
「え?」
「詳しくはシカマルに聞くといい。」
そうして、ここ火影室まで一緒に来て現在隣に立っている彼、シカマルを見上げる。面倒くさいオーラが全開であることは言わずもがな。
「宴会?」
「それも、めんどくせーことに俺ん家でな。」
火影室を出た私達は、まだ摂っていない昼食を求めて食事処に向かう。
「でも、皆任務があるんじゃ・・・」
「それが、上手く調整してくれたらしくてよ。」
「綱手様が?」
「あぁ。どうもナルトが煩かったらしい。」
どうやら、久し振りに木ノ葉に戻って来る私の為に、皆で集まれるよう綱手様がスケジュールを調整してくれたらしい。
「じゃあ皆に会えるの?」
「ま、そういうことになるな。」
「やったー!嬉しい!」
まさか木ノ葉に来た日に皆に会えるだなんて。本来なら絶対無理なことなのに・・・。
「ここでいいか?」
「うん!」
いつの間にか着いていた和食の食事処。彼は迷うことなく鯖の味噌煮定食を頼み、私は持ち前の優柔不断を存分に発揮させ、悩んだ末結局シカマルと同じ物を頼んだ。久しぶりだからか会話も弾み(ほぼ私が一方的)、だんだん木ノ葉に馴染んできた気がする。いいと言ったが結局シカマルが私の分も支払ってくれて、嬉しいやら申し訳ないやら。
「ちょっと手出してみろ。」
「ん?・・・わぁ、可愛い!」
掌に置かれたのは、綺麗な風車(かざぐるま)の形をした飴。
「どうしたの?これ」
「さっき帰り際に。」
「買ってくれたの?」
「ついでにな。」
「ふふ、ありがと。大事にするね!」
と言ってひとしきり眺めた後、口の中に含む。
彼はさり気なく優しい。