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相合い傘 ▷ あめいろ。

第9章 @ 二口堅治





「柴田?どうしたの?」


二口はそう言って腰を屈める。



『猫が…濡れてて可哀想だったから…』


「あっほんとだ、可哀想。」



二口は濡れた猫の頭を、テーピングが施された指で優しく撫でた。



『…突き指?』


「あー、今日ブロックでやっちゃってさ…。」


『大丈夫なの?』


「いつもだから平気平気。」


そう言って二口は絢に向かって満面の笑みでピースをしてみせる。


そんな二口の様子が可笑しくて思わず笑ってしまう。




「二口、先帰ってた方がいいか?」


二人の様子を見ていた青根が声をかける。


女川が青根の脇腹を肘で突き、ニヤニヤと笑っている。


「良い雰囲気だから二人残していこうぜ…」


「パンタロン聞こえてるからな!?」


「はいはいまた明日ー!」


青根、女川、小原はそう言って颯爽と消えていった。


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