第6章 @ 木葉秋紀
「木兎また試合活躍してたな。」
『うん。なんか遠い存在になっちゃった。』
「でもまぁ、あいつは俺らのこと忘れたりはしなさそうだろ?」
『そうだね。』
そう言いながらまたビールを口にする木兎を見て、二人で笑い合う。
木葉もビールを飲んで、絢の方を向いた。
「今何の仕事してんの?」
『デザイナーの見習いやってるよ。ずっと服描いてる。木葉は?』
「俺は普通のサラリーマン。まぁ無難なところよ。」
なんて話をしていると、気づいたら結構遅めの時間になっていた。
「あー木兎酔い潰れた…こいつ送ってくのジャン負けにしようぜ。」
小見がそう提案し、男子勢がジャンケンをする。
猿杙がジャンケンに見事負け、木兎お持ち帰りの刑となった。
『あーあ…猿杙かわいそ。』
「絢家どこ?送ってくよ。」
『えっ悪いよ大丈夫だよ?』
「でも傘持ってないんだろ?」
入った時小降りだった雨は、かなり本格的になっていて、傘無しでは帰れない程だった。
思わず図星になる。
「はいはい、帰ろうぜ。」