• テキストサイズ

相合い傘 ▷ あめいろ。

第5章 @ 赤葦京治





「もっとこっち来ないと、濡れるよ。」


そう言いながら赤葦は、少し雨で濡れた絢の肩を抱く。


触れられたところが少し熱くなった気がした。


「ほら言ってるそばから…風邪引いたらどうするの。」


『馬鹿は風邪ひかないから平気だよ。』


「自分で言っちゃうんだ…」



絢はニコニコしているが、ほんとは少しヤキモチを引きずっていた。


なんとなく、部活ばかりの赤葦に寂しさを覚えていた。


黙りっぱなしの状況に、赤葦が口を開いた。



「…今日あんまり喋んないね。機嫌悪い?」


『んー?そんなことないよ?』


「いつもならきゃっきゃしてるのに。」


『そうー?』


「…部活ばっかなの、嫌?」


…何故見透かされたのだろう。


赤葦は顔を覗き込んでくる。


/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp