第4章 @ 孤爪研磨
「何があったの?」
二人で肩を並べて歩きながら、起こった出来事を話す。
フられてしまったこと。
理由がわからないこと。
どうしたらいいのかわからないこと。
研磨は絢の方こそ向かなかったが、小さく相槌を打ちながら、絢の話を聞いた。
『わたし、暫く立ち直れないなぁ…』
「んー…」
研磨は傘を持ち替えて、空いた方の手で絢の頭を撫でた。
驚く絢が孤爪の顔を見上げると、耳を真っ赤にしてこちらを見ていた。
『研磨…?』
「…気にすることないよ。辛かったら、俺もいるし、クロもいるし、うるさいけど虎とか福永とかもいるし…。それに…」
『それに…?』
「…俺は、絢は笑ってた方が…いいと、思う…から…。」