第4章 @ 孤爪研磨
そこに居たのは、傘を差した孤爪だった。
こちらを見て、驚いた表情を見せる。
『研磨…?』
「何してるの、風邪引くから早くこっち入りなよ。」
『ううん大丈夫…』
こんな惨めな顔見せられない。
そう思った絢は立ち上がって逃げようとする。
しかし、その判断も虚しく、走り去ろうとした絢の腕をとっさに研磨が掴む。
『やっ…大丈夫だから…』
「風邪引く。これでも被ってて。」
研磨は濡れたスポーツバックから赤いジャージの上着を取り出して、絢の肩にかける。
その時に顔を見られ、また驚かれる。