第10章 二口の悩み
まどか と二口は駅へと向かう。
「二口?歯医者行くの別に隠すことないじゃん!」
「……虫歯でイライラしてんのがバレたくなかったんだよ!」
「プッ…子供みたいだもんね!」
「うるせぇ!それ以上言ったらぶっ叩くかんな!」
「二口こわーい!」
まどか は二口とこうやって他愛のない話をするだけでも嬉かった。
駅に到着し電車へと乗る。
電車の中は帰宅ラッシュの為混んでいた。
二口は出入口端に一人分のスペースを開けて
まどか をそこのスペースに入れてあげた。
「まどか ここに入りな。」
「うん!二口ありがとう!」
二口って意外と気遣ってくれるんだ。
ますますイイ男に見えてしまう……
まどか は暫く二口に見惚れていた。
「……何だよ。人の顔ジッと見て!」
「えっ…二口意外と優しいなって思ってさ。」
「まどか があの人混みに入ったら
埋もれて絶対はぐれるだろ?俺とはぐれたらまどか は泣いちゃうもんな?」
「はぁ?泣かないし!」
「まぁ、はぐれて泣きべそかいてるまどか も見てみたかったけどな!」
「二口酷いんだけど。ドSか!」
「まぁそうかもな!」
そう言ってニッと笑う二口。
そんな二口が好きな私はドMなのかもな。
まどか はそんな事を考えながら
苦笑いをしていた。