第9章 酸っぱいグミと甘いアメ
「青根ちゃんも、はい!お家のお弁当があると思ったから小さめのお弁当にしたんだ!ママさんには劣るけど食べてね!」
今度は小さめのお弁当を青根に渡した。
「………まどか ありがとう。
全部食うよ……これ飲んで……」
青根は先程買ったパックのジュースをまどか にあげた。
「青根ちゃんいいの?ありがとう!」
まどか は受け取ると嬉しそうに笑った。
なんだ、弁当青根の分も用意してたのかよ。
二口は自分にだけ作ってくれたんだと思っていたので少しムッとしたが
自分も何かまどか にあげようと思いポケットを探ってみた。
すると今朝開封したグミが入っていた。
「まどか 手ぇ出して!」
「ん?二口なに?」
まどか は素直に二口に向けて手を向けるとグミを数粒手に出してあげた。
「これ、俺の好きなやつ。一粒ずつ食べてな!」
二口はそれだけ言って教室を出ていった。
「えっ!二口…青根ちゃん置いて帰っちゃった。青根ちゃんもう戻らないと時間ないよ?」
まどか は青根に声を掛けると
青根はまどか のブラウスの胸ポケットに何かを入れ
無言でポンポンとまどか の頭を撫でて教室を出ていった。
まどか は普段と違う青根の行動に
不覚にもドキッとしてしまった。