第8章 家庭の事情
「お待たせ!体育館閉めていいよ!」
まどか は荷物を抱えて三人が待つ場所に戻った。
二口はまどか が戻ってくるなり
「本当世話かけさせやがって。俺を待たせた罰として明日朝練参加しろよ!」
いい放つ。
そこにいた三人はいくら二口が主将だからって横暴すぎると思ったに違いない。
「えー。朝練参加出来ないっていったじゃん。私は朝忙しいの!」
まどか は二口に無理だと言う。
「駄目だね。ちゃんとした理由があるなら罰を変えてやってもいいけど。」
あー…もう罰は確定してるのね。
「私ん家母親が居ないの。だから朝は家事で忙しいから罰変えてよ!」
まどか は二口に家の事情を初めて話した。
「え!まどか 母親居ないの!?」
思いもよらないまどか の言葉に二口は動揺する。
「うん、そうだけど。父と二人だから家事全般任されてるの!」
「…………それなら罰はいいや。その代わり夕方はきちんと仕事こなせよ?じゃあ帰るわ!」
二口はそのまま一人で帰っていった。
「……罰受けなくて良かったのかな?」
二口があっさり退いてしまったのでまどか は呆気に取られてしまった。
「別に構わないんじゃない?ただ待たせた位で罰受けるとか有り得ないもん。私も帰るね!まどか ちゃん青根くんまた明日ね!」
滑津は二人に手を振り帰っていった。