第22章 涙の理由
「……まどか ……」
青根は泣いてしまったまどか の両手を優しく握り落ち着かせた。
「…………青根ちゃん……ごめんね……
…私…まだ二口の事……諦めきれなくて…」
まどか は起き上がり涙を流しながら
ゆっくりと話した。
「………………二口はまどか の事嫌いって言った訳じゃ無いんだろ?」
隣に座った青根にまどか はコクンと頷き
「…………二口に……キスされたの……」
そう言って俯いた。
「…………まどか ……二口の事諦めなくていい……」
「…………青根ちゃん……ごめんね……
私……二口に振られたら…青根ちゃんの事好きになるって言ったのに……」
「…………大丈夫……気にしなくていい……
…早く元気になって…また俺の好きな笑顔見せて……」
青根はそう言ってまどか の頭を優しく撫で立ち上がった。
「青根ちゃんもう帰っちゃうの?」
「…………もう夜遅いから……」
「……寂しい……青根ちゃん……そばにいて………」
まどか は青根のシャツの裾を掴んで引き止めた。
「………わかった……今夜は一緒に居る…
…」
「青根ちゃんありがとう……お風呂入って来るね。」
青根がまたソファーに座ったのを確認して
リビングから出ていった。
青根は一人になり思う。
俺に出来る事はまどか を慰める事だけ。
二口はなぜまどか の告白を断ったんだろうか………アイツは確実にまどか の事が好きなはずなのに……。
キスだってしたんだろ?
まどか を傷付けて一体何を考えてるんだ……。
明日、二口と話して理由を聞こう。
青根は明日二口と面と向かって話す事を決心した。