第20章 報告と・・・
「………あぁ、もう!何でまどか は青根くんの気持ち気付いてやれなかったの!!」
涼は今にも流れそうな涙をグッと堪え
声を荒げた。
「…………俺の事思ってそう言ってくれてるの?」
「だって……まどか が二口と出会う前に青根くんの気持ち知ってたら青根くんだって諦める事しなくて良かったでしょ?」
「…………確かにそうかも知れない。でも、今更思っても遅い。……俺は傍に居れなくても、まどか が幸せならそれでいい。」
青根の言葉を聞いて涼は胸が締め付けられる。
「自分の事よりも好きな子の幸せか。
青根くん、本当人が良すぎるでしょ。
……まどか は見る目ないなぁ。
私は二口よりも青根くんのほうがずっといい男だと思うよ!」
「………………ありがとう。まどか の友達。」
「真島涼!私の名前は真島涼だよ。覚えといて!じゃあ引き止めちゃってごめんね。
帰ります。」
涼は青根にペコリと軽くお辞儀をしてその場を去ろうとすると青根に腕を掴まれた。
「…………待って。真島さん、家どこ?
暗くて危ないから駅まで送る。」
ああ、せっかく格好良く去ろうと思ったのに……。
「……ありがと。じゃあお言葉に甘えようかな。」
涼は青根に駅まで送って貰う事にした。