第17章 二口の過去と出逢い
彼女と二度目に会った日から一週間が経った。
俺が彼女と三度目に会うと決めた金曜日。
俺は一人で彼女が居るであろう教室へと向かった。
教室を覗くと彼女は友達とお昼ごはんを食べていた。
俺は近くにいた奴に頼んで彼女に来てもらう事にした。
彼女は俺を見るなり"あっ、あの時の!"って言って俺を指差していた。
彼女が覚えていてだけで俺は嬉しかった。
"遅くなってごめん。助かったよ!これ良かったら食べて。本当にありがとう。"
俺は借りていたお金とレモン味のグミキャンディを渡した。
"友達に騙されたんだって言われてたの。
私は貴方が返しに来てくれるって信じてたよ!グミキャンディもありがとう! "
ニコッと笑って友達に所に戻っていってしまった。
俺の事を信じてくれていた。
それを聞いただけで胸が高鳴ったんだ。
でもまた名前が聞けなかった……。
四度目……また会うことが出来たなら今度こそは名前を聞こうと思った。