第17章 二口の過去と出逢い
"いえ、頼まれた物じゃありません。実は私今日誕生日でクラスメイトから全て貰ったものなんです!"
"誕生日なの?おめでとう!誕生日は君なのに俺がジュース貰っていいの?"
"はい!是非貰って下さい。幸せのおすそ分けです!"
ニッコリ笑って言った彼女はペコッとお辞儀をして行ってしまった。
俺は彼女にお礼を言う事が出来なかった。
ニッコリ笑う顔が印象的でもう一度会いたいと思ってしまった。
俺は購買部から戻り
貰ったジュースを1つ青根にあげてその事を話したんだ。
"さっき背の低い女の子にジュース貰ったんだ。今日誕生日らしくてクラスメイトに貰ったジュースを俺にくれたんだよ。幸せのおすそ分けだって言って。俺さ、お礼言えなかったんだよな。名前も知らない子だけどまた会えないかな……"
もしかしたらこの話を聞いた青根は背の低い女の子で誕生日だというキーワードでまどか の事だと気付いていたのかもしれない。