第15章 知ってしまった気持ち
それを聞いた茂庭は二口に少し苛立ちを覚え怒鳴った。
「……嘘つくなよ。本当にそれだけだったら別にすぐに答えられただろうが!まどか ちゃんの好きな奴も本当は知りたいんだろ?何でお前は素直になんないの!」
二口は茂庭に怒鳴られ観念したかのようにゆっくりと話した。
「………茂庭さん……俺はまどか の事好きですよ……」
!!……青根が言っていた事本当だったんだ。
よかった、両思いじゃないか。
「じゃあまどか ちゃんに告はー」
茂庭が喋るとそれに被せるように二口がまた話し出した。
「…………ですが…俺はまどか に思いを告げる事は出来ません。……俺は彼女の事好きになっちゃいけないから……」
「!!何でよ?何でまどか ちゃんの事好きになっちゃいけないの?」
「………………」
二口は黙ってしまい茂庭の質問に答える事はしなかった。
何で二口はあんな事を言ったの?
好きになっちゃいけないってどういう事?
やっぱり青根が居るからなのか?
また茂庭は考えこんでしまった。
暫く黙っていた二口が口を開く。
「…………茂庭さん俺はきっとまどか に嫌われていますよ……いつも嫌な態度とったりからかったりしてるので……」
「まどか ちゃんは二口の事嫌ってないよ。」
「……なんで茂庭さんにそんな事がわかるんですか?」
「なんでだろうねー。」
茂庭は二口に向けてニッと笑った。
何で茂庭さんは嫌ってないって言い切れるんだろう。
……まさかまどか の好きな奴って俺なのか?いや、俺はあいつに優しくした事なんて無いし……。
もしもそうだとしても俺は……まどか の気持ちを受けとる事が出来ねぇよ……。
二口は複雑な気持ちになっていた。