第15章 知ってしまった気持ち
また二口は青根のベッドに寝転がってスマホを弄っていた。
青根はあんな事を言っていたけど
二口はまどか ちゃんの事好きな素振りなんて見せた事無いよな。
青根は何かに気付いているのか?
茂庭はベッドに縁に寄りかかり二口と背中越しに話した。
「なぁ、二口……」
「茂庭さん何すか?」
二口は声がする方に顔を向けたが茂庭が見ていなかったので目線をスマホに戻した。
「……二口はさ……まどか ちゃんの事どう思ってるの?」
「何でそんな事……」
「じゃあさ、二口はまどか ちゃんの事、好き?嫌い?」
何でいきなりまどか の事を俺に聞くの?
「…………好きか嫌いかで言ったら……好きですよ」
「……そう、それならいいんだ。」
「茂庭さん一体何が言いたいっすか?」
「いや、ただ聞いただけだよ。」
ただ聞きたかったってどういう事なんだよ…
何でまどか の事聞くの。
俺は気持ち切り替えたばかりなのに……
「………あの、逆に茂庭さんはまどか の事どう思ってるんですか?」
茂庭はそれを聞いて二口のほうを向いた。
「可愛い後輩。勿論恋愛感情は無いよ!俺はまどか ちゃんの好きな奴知ってるし。」
「!!」
二口はそれを聞いて目を見開いた。
気にはしてるみたいだね。
「…………誰か知りたい?」
「……………別に……」
二口はプイッとまたスマホに目線を戻す。
「まっ、まどか ちゃんに口止めされてるから教えないけど。」
「はぁ!?教える気もないくせに知りたい?とか聞かないで貰えますか?俺からかって楽しいですか?」
二口は声を荒げていた。
「うん、ごめん。別にからかった訳じゃないんだ。二口はまどか ちゃんの事どう思ってるか知りたかっただけ。…俺には聞いといてさ何で二口は答えてくれないの?」
「だから何でそんなことを知りたいんすか?俺にそんなこと聞いてなんの得があるんですか?」
「得なんてないかもしれないけどさ何で好きか嫌いかの選択肢でしか言えないの?」
「…………まどか の事はただのマネージャーとしか思ってません!」
二口は本当の事を言えなかった。