第15章 知ってしまった気持ち
「風呂入ってくる!」
動揺を隠せずにいた二口は着替えを持って逃げるように部屋を出ていった。
二口は湯船に浸かりながらまた考え事をしていた。
まどか は青根にキスされた事を知らない……。
寝ている間にキスするとかあり得ないだろ…
しかもアイツにとってはファーストキス。
……でもまどか が望んでしたキスじゃなくて少し安心した。
最近……アイツの事ばかり考えてしまう。
……いっそアイツも青根の事が好きだったら諦めついたのに。
まどか には他に好きな奴が居る……。
好きな奴知りたいけど…………
やっぱり知るのは怖い……。
あぁもう考えてたらキリがない!
駄目だ。
俺は普段通りにまどか に接しないと変に思われてしまう。
気持ちを切り替えないと……。
二口は風呂桶に水を溜め頭から被った。
「冷てぇー!!」
水を被った二口は自分の両頬を叩き
気持ちを切り替えた。
よし、大丈夫!
普段通りに接してみせる!
二口は気合いを入れてお風呂から上がった。