第2章 今宵月が見えずとも
「なら、オレにも一口ください」
そう声をかけて口付ける。ゆっくりと舌を滑り込ませて彼女の舌に絡ませる。初めは戸惑い気味だった彼女も、何度も角度を変えて続けていく内に積極的に舌を絡めてくるようになった。服の中へと手を差し入れ、ブラのホックを外す。一度離れて服と一緒に剥ぎ取ると、そのままベッドに押し倒した。耳朶を甘噛みしながら下も脱がせる。
「辰也君も脱いで……恥ずかしいよ」
「辰也君じゃなくて辰也、だよ。なつめ」
耳元で囁きながらバスローブを放り捨てる。そのまま首筋から鎖骨へと舌を這わせると、両手で胸の双丘を揉みしだく。わざと頂には触れないようにやわやわと揉んでいると、艶のある声が漏れてきた。
「…あっ……やぁっ……意地悪しないで……辰也ぁ……」
「どうして欲しい?オレに教えて?」
「やん……あっ……恥ずかしい……」
「言わないと何もしないよ?」