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合同企画 【相合傘】 R18

第2章 今宵月が見えずとも


「ごめんね、辰也君。ごめんなさい」

「オレは構いません。それより風邪を引きますから着替えて……すみません、オレがいると着替えられませんね」

1Kのアパートの部屋にオレがいては彼女は着替えられない。急いで荷物を持ち、部屋を出ようとした。

「待って‼︎」

突然大きな声で呼び止められる。彼女はまだ震えながら泣いていた。

「……行かないで……ひとりにしないで……そばにいて……」

すがりつくような声で懇願する彼女に、オレの中の何かがざわついた。彼女は続けて言う。

「お願いだから……ひとりにしないで……身勝手なのはわかっているけど…そばにいてほしいの」

「……それがどういう意味かわかっていますか?オレも一応男ですよ?」

「うん……だからごめんなさい。辰也君の気持ちを利用するみたいだけど……誰かにそばにいてほしいの。じゃないと私、何をするかわからないから」
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