第8章 真逆と決定付けるもの

「お、懐かしい組み合わせじゃん。」

衝撃的な話の後とは思えないほど飄々とした様子で迅が姿を見せた。
普段通りの気の抜けたへらへら顔を見ると、本当に重大な取引をした後なのかと疑いたくもなるが、奇しくもそれは事実だった。

「絵梨さん、さっきは助かった。助力ありがとうございます。」
「私は貴方の作戦通りに動いただけだから、何もしていないにも等しい。気にしないで。」
「またまた謙遜しちゃって〜」
「そういう実のない話はいいから、事の顛末を説明して欲しい。太刀川さんと風間さんも待ってる。」

ちょっとその言い方は酷いでしょ、なんて、微塵も感じていないだろうにそんな事を口にした迅に少しだけ呆れ顔を見せた絵梨。

けれどやはり明確にしておきたいのは絵梨だけではないのだ。

「まあまあ皆さん落ち着いて……。揚げせんでも食べながらじっくり聞いてもらおうじゃないの。」


そうしてほくそ笑む迅だったが、話の内容は至ってシンプルだった。