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ワールドトリガー 瞳に光を

第7章 異例の弾丸


「お、追い詰めた!?」
「単純な剣比べなら太刀川さんの方が上だ」

三輪隊2人の言葉通り、迅の後ろはガレージの壁。




鍔迫り合いもそこまで。
予知を覆し、勝利を確信に変えようとしたその時。


迅は風刃を振りかざし、目の前の太刀川に斬撃を刻み込む。


絶体絶命の状況に見えるがそうではない。




すかさず風間隊の2人が姿を表す。

しかし、残弾を使って歌川に致命傷を負わせる。
それすらも読んでいた様に。


「風間さん!0本です!」


風刃の弱点、遠隔斬撃の本数制限。

歌川の仕事は風刃の残弾を使わせ、遠隔斬撃を封じる事。



すかさず風間が迅の正面を取り、抑える。

迅の足元から湧き上がる微量のトリオン。



読み逃したか、と迅は思う。

足の裏から出したスコーピオン
地面を介して迅の足へと突き刺す。



風間隊2名による鮮やかな足止め。


その好機に乗じて太刀川がトドメの一撃を見舞おうとしたその時




ふと、風間には一つの疑問が浮上した。



先程の斬撃
風刃の残弾は8本
太刀川に6発、歌川に1発。

では




"残り1発はどこに"








風間をも巻き添えに斬りかかろうとする太刀川に忍び寄る脅威。

バッグワームを解除して視界にちらつく影。
止めたら撃つ、と脅しをかけているように。


「逃げられないのはそっちだよ、太刀川さん…!」



迅の怪しげな笑みと共に、最後の風刃が牙を剥く。


壁づたいに刻まれた一戦は、太刀川にとって致命傷ともなり得る大きな傷を作り、同時に風間の左足も使い物にはならなくなった。






「俺たちの動きを先読みし、既にガレージに残弾を仕込んでいたのか。」
「俺のサイドエフェクトと風刃は相性が良過ぎるんだ。悪いね。それに、」


風間が物言わぬ顔で告げると、迅もそれに答える。




「絵梨さんをフリーにした事、後悔してるんじゃない?」
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