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ワールドトリガー 瞳に光を

第7章 異例の弾丸


「バッグワームを起動したという事は今回は狙撃に徹するつもりか。最後に遠山を確認したのは何処だ。」

「具体的な場所ではないのですが…風間さん達の現在の進行方向とは真逆に進んでいたようです。距離が離れてしまった為に見失ってしまいました。」

「…分かった。引き続き狙撃警戒。一度距離を取ったのは俺達を撹乱させる為、或いは嵐山達に加勢に行ったか。どんな理由にしても、不用意には打ってこないはずだ。」

◇◆◇

両者ともに譲らない。一進一退の攻防戦。
一方が大きく斬りかかると、もう一方は刀を交え応戦する。


「お前が本部と敵対してまで黒トリガーを、いや、近界民を庇う理由がわからんな。いくら玉狛と言えど、このまでする事なのか?」

「何?話したら退いてくれるの?だったら喜んで教えるけどね。どうせ、そういう訳にもいかないんでしょ。」

援護攻撃を巧みに返しながら太刀川の攻撃を避け続ける迅。
援護攻撃を丁寧に利用しながら常に攻める太刀川。


そして、
隙あらばそれを逃さず、奇襲をかける風間。

静かに、無駄のない動き。流れるように自然な動作。変形できる特性を駆使した剣は踊っているかの様に鮮やかで。

援護に回る隊員の指揮を取りながら、確実な戦略で迅を追い詰める。

「にしても、どんどん下がりますね。消えた狙撃手の事も気になるし。」

「包囲されない為には当然の判断だろう。誘導している可能性もある。突出した駒から食われるぞ。」

「これ以上先に進むと警戒区域外に出ますよ。そろそろ仕掛けてくる可能性も…」

風間隊は、元々軽量武器を用いた奇襲を得意戦術とする。威力重視の太刀川とは異なり、合理的な戦いを好む傾向にある。

相手の動きをよく見る。一瞬の中にも正確な戦術を必要とされる。

厄介この上ないものだ。
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