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FFVII いばらの涙 邂逅譚

第4章 砂時計


「ねぇ、なぜここにセフィロスの過去があるの?」
「正確にはあるかはわからない。杞憂であればそれでいいさ。確かめるために俺はここにいる。お前もそうだろう? お前が失踪した後の屋敷のこと、お前の愛した人のことを確かめるためにここにいるのだろう」
「そうだけど……セフィロス?」

シャロンはセフィロスの様子に不安を覚えた。半ばセフィロスに頼ってここまで来たが、はたして本当に来て良かったのだろうか。セフィロスは何を確かめに来たのだろうか。セフィロスは入り口に置かれた蝋燭に火を灯して屋敷の中へと入って行った。

「待って、セフィロス」

 ここまで優しすぎるほどにエスコートしてくれていたセフィロスが、どんどん先へ行ってしまう。
彼の灯りを頼りに後を追う。過去を思い出す間も無く、ある部屋へと辿り着いた。
 セフィロスは机に回り込みシャロンが付いてきたことを確認してから蝋燭を置く。外が次第に明るくなってくる。
目も慣れてくると、なんとか辺りを見渡せる明るさになっていた。この場所は書庫のようで、壁一面に書物が並べられていた。

「ここは神羅の研究ファイルや資料が保管されている。お前も自分の調べ物をするといい」
「セフィロスは何を調べるの?」
「俺は……母のことだ」

何か嫌な予感がした。頭の片隅で、そうであってほしくないと願っていたひとつの可能性が主張し始める。

「私も一緒に調べる。何か繋がっている気がするの、私とあなた。年代的にも、近いでしょう」
「そうか。それなら俺はこの棚から調べるぞ」

 手分けしてそれらしき資料を探す。時間も忘れ、時々セフィロスが持ち込んだ白いリンゴを食料にしながら屋敷に缶詰めになって資料を読み漁った。

「古代種か……。お前は古代種と呼ばれていたのだろう。実際のところどうなんだ?」
「私は古代種などではないわよ。記憶はないけれど、古代種のような能力は持っていないもの」
「ジェノバ……。これは……?」
「ジェノバ? 聞いたことがあるわね」
「ほう」

二人はジェノバについて書かれた資料に視線を落とす。

〈空から来た厄災〉

ジェノバ細胞を埋め込む実験が多岐に渡り行われる。
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