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久世くんには恋愛論を
第2章 恋愛論Ⅰ
「あ、おはよう久世」
私はそのスラッとした男子学生に朝の挨拶をした。
「ん、おはよ」
ぶっきらぼうに返事を返すこの人は久世 茜(くせ あかね)。今年4月、引っ越してきたばかりのクラスメイト。
フワッフワの猫っ毛で光が当たるとアッシュ系に見える髪の色。透明感のある肌、高い身長、人より薄い茶色の目、初めて見た女子達はまるで漫画から出てきたような彼に目を輝かせた。
口を開くまではこの私でさえも。
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