第2章 恋愛論Ⅰ
「やあやあ、宮原に日向、おはよう!」
今日も朝からうるさい声が響き渡る。
「あ、諸星くん、おはよう」
短髪の真っ黒な髪。白いカッターシャツが似合うサッカー部の諸星 輝喜(もろぼし てるき)。通称、諸星くん(キラキラ馬鹿)。
2年生で同じクラスになった時の自己紹介で
「さあ、諸君、星のように
キラキラ輝く俺を見て喜ぶがいい!
(ほら、前から漢字を拾っていくと、
俺の名前だぜ!)」
の発言で一躍時の人となった諸星くん。
今やただのキラキラ馬鹿。世間って本当に冷たいから怖い。
そんなキラキラ馬鹿がキラキラしながら私に言う。
「あっれー?宮原お前、鼻の下伸びてない?」
「おい諸星、一体いつから話を聞いていた」
「確か、宮原のふふっ…ていう笑いあたり!」
「ほぼほぼ全部だな」
「俺のオーラの消す力を
甘くみるんじゃないよ」
「それってどうなの、
キラキラ馬鹿としてはどうなの、」
「…問題ないね!全く問題ないさ!
もーまんたい!」
ふはははは、と高笑いをする諸星くんの後ろからスッと現れる人影。
「キラキラ馬鹿なんて呼ばれる時点で
違和感持てよ、キラキラ馬鹿」