第9章 恋愛論Ⅷ
「あれ、静かだと思ったら、諸星くんは?」
「部活、」
「ああ、物語中初めて行ったね、部活。」
「うん、いい加減行かせないとね、」
「ただのうるさい馬鹿になるもんね。」
諸星くんはちゃんとサッカー部のエースです。
「ところで久世さん、新田くんの扱い、とは?」
久世が小さく笑って、新田くんを見た。
「光、」
「なあに、久世。」
「・・・お前格好良いよなあ、」
「・・・は?」
「歌、上手いし、運動出来るし、」
「久世、馬鹿言うなよ。」
「なんで、ホントのことだよ。」
新田くんの顔色が変わる。
「みんな光のことそう思ってる、俺だって、」
「・・・やめ、」
「光が作ってくれたあの旨い弁当、また食べたいな。」
意外、新田くん料理なんて作れるんだ。立ち尽くす新田くんを横目で見ると、急に自分のカバンを手に取った。
「帰る、」
「え!新田くん!?」
顔も見せずに、教室を後にしようとする新田くんの耳が赤いのだけが見えた。まさか・・・新田くんって、
「ああ見えて、ベタな褒め言葉が苦手なの。」
満足そうにニヤリと笑う久世くんは、少々意地悪が過ぎるようです。