第5章 恋愛論Ⅳ
「は、い?」
思いもしない人の名前に、可愛くなさすぎる声が出た。そんなこと気にしたのは私だけのようで、先輩は言葉を続ける。
「仲、いいんだよね?」
「は、い?」
久世と私が仲がいい?
「友達、でしょ?」
「は、はあ。」
それより先輩、話って・・・
「久世くんの性格が知りたいんだ。教えてくれない?」
「あ、い、いや・・・久世のことはあまり知らない、というか・・・謎、っていうか、」
あまりにも戸惑いが大きすぎて、上手く話せない。
「・・・言えない、ってこと?」
「言え、ないです。・・・お力になれず、すみま」
「つまりは、敵ってこと、・・・か。」
・・・は、い?