第5章 恋愛論Ⅳ
放課後、昨日先輩が言ってた通り、体育館の裏まで行くと、もうそこには先輩の姿があった。なんだろう、ただ立っているだけなのに、その姿がもう画になる。
「・・・せ、んぱい!」
「あ、宮原さん、ごめんね。呼び出したりなんかして。」
申し訳なさそうに謝る先輩が私に近づく。
「い、いえ。」
「それより・・・お話って何ですか。」
なんて知らないふりして聞いてみるけど、頭の中は幸せな期待でいっぱいだ。
「・・・うん、ずっと聞きたかったことがあって、」
先輩の口の動きに息を呑む。
「久世くんって、どういう人?」