第18章 恋愛論XⅣ
「うーん、どうだろうねえ
また追いかけっこするの?」
「はい!俺、日向先輩についていくって
決めたんです!」
「いや、毎日ついてまわるのは
さすがにきょうちゃんも迷惑なんじゃ」
「め、迷惑…!」
大きなわんこがあからさまに肩を落とした。
「…お、俺日向先輩の気持ちなんて考えずに
迷惑だったなんて…」
「あ、いやっ、こ、紺野くん!?」
大きな瞳が潤むと、今にも雫が溢れてしまいそう。
待て、この状況は私が可愛い年下男子を苛めているみたいじゃないか!なんか、回りの視線が痛いんですけど!
「……謝ってきます…俺、謝ってきます!」
キリッと顔を上げて私に宣言した彼が「宮原先輩、失礼します!」と頭を下げて、再び凄い速さで去って行った。
凄いパワー。紺野くんにはいつも圧倒されてしまう。
「…なんというか…全力男子だな、」
そう、紺野くんはいい意味でも悪い意味でも「全力」で。またそこが素直で可愛い、彼の魅力でもあるんだけれど。
きょうちゃんはどうもそれが苦手なようだ。