第18章 恋愛論XⅣ
彼女がいなくなってすぐに、声のした方からこれまた凄いスピードでやって来た男の子。
「あっれー!?
日向先輩の匂いしたんだけどなあ」
かなりの速さで走っていたのに、キツそうな表情どころか息さえも切らすことなく、私の前で止まったら茶髪な今どき男子。
「こんにちは、紺野くん」
「あ!宮原先輩、こんにちは!」
と子犬のような愛らしさで笑う彼は1年生の紺野 春来(こんの はるき)くん。子犬といっても、それは顔だけで。実際紺野くんは身長も高く、1年生の中ではやっぱり目立つ。確実に久世よりは高いな、うん。
「宮原先輩、日向先輩いませんでした?」
「えっと、きょうちゃんは…」
「あ、さては!
今日も鬼ごっこのつもりですかね!」
ワクワクした表情を私に向けるわんこ。
なんだろう。部類はきっとあのキラキラ馬鹿と同じなんだけど、紺野くんにはついデレてしまう。
年下だからだろうか、それともただ単に可愛いから?