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久世くんには恋愛論を

第3章 恋愛論Ⅱ









さっきまでいたはずの久世の姿がない。



「…せ、んぱい、ここに人、
 いませんでしたっけ?」



自分の後ろを指さして、先輩に尋ねる。



「何、宮原さん、怖い話?」



ふふふ、と笑う先輩。



おかしい、どこに行ったんだ久世。



「あ、いえ…何でもない、です」

「おかしいなあ宮原さんは。
 それよりごみ箱、もらおうか」

「あ、はい、お願いします」



先輩が私の代わりに焼却炉まで運んでくれる。たった何秒かの道だけど、競争率の高い先輩と2人だけで横に並んで歩くなんて、贅沢な時間だった。






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