第17章 episode Ⅳ 新田 光
昔からそう、洸は何でも出来た。
何でも、俺より上だった。
「洸くん、また学年1位?凄いよね~!」
「陸上部、県大会優勝だって!
洸のやつ、大活躍だったらしいぜ?」
「洸くんって、格好いいよね」
学校生活を送れば、洸の名前が聞こえない日なんてなくて。そう言われるたびに、後ろにカッコがついていて。
(それに比べて光は、)
(ほんとに双子?)
(似てるのは顔だけ)
なんて言葉が嫌でも聞こえる。
そんなことは俺が一番知っている。
だからこそ、洸から言われるそれに腹が立ったのかもしれない。