第17章 episode Ⅳ 新田 光
「ひかる、待ってよ」
パタパタと後ろから聞こえる足音と俺を呼ぶ声に振り向きもしない俺の後ろについて
「なんで置いてくんですか」と、ブーブーうるさいのはいつものこと。
「なんでついてくんですか」とはね除けるのもいつものこと。
「いいじゃん、」と悪戯にニッコリ笑って、ポケットに手を突っ込むと俺の隣に並んだ。
「隣歩くなって」
「はいはい」
「お前聞いてねえだろ」
「光の好きな焼きそばパン売ってるかな?」
「焼きそばパン無いとか無理なんですけど」
「無理なんですけど!」
「行ってきて洸」
「やだ、俺兄貴だもーん。いけ、光!」
「大切な弟をポケ○ンみたいに使うな」
あはは、と笑う兄貴、
結局のところ俺はこいつに敵わない。