第16章 恋愛論ⅩⅢ
「あ、おはよー諸星くん」
「おはよう宮原!なんなの、お前ら付き合ってんの!?」
その質問にチラッと愛しの彼の様子を伺うと、それはまあ、非常にめんどくさそうな顔をして明後日を見る。
「あー…えっと」
目をキラキラ輝かせる諸星くんになんて言っていいか分からず、口ごもっていると
「ほんと、タイミングの良さに驚きを隠せないよ、諸星くん。」
と涼しい顔して言った。
「そんな褒めんなってえ!☆」
「嫌味通じない奴って幸せだよね」
「もう久世!やめろって!☆」
「ちょっと諸星くん、嬉しいついでにそこから飛んで」
そこって…、久世さんここは三階です。
「え!?見たい!?見たい!?フライング見たい!?」
「見たーい、僕、諸星くんの飛ぶところが見たいでーす」
「やめて、お願いだからやめてあげてください久世さん」
手を挙げる久世の手を押さえて、自殺行為に近いそれを食い止める。
「宮原との朝の会を邪魔した恨み」
「あ、朝の会って…そうだったんですか久世さん」
「ちょっとなにそれ!おもろい!俺も入れて! 朝の会!」
「英語しか使わないってルール守れるのかい君は」
「えー!俺英語2だもん!」
「だとしたら辞書が必要じゃない?諸星くん」
久世のアドバイスに諸星くんが「よし借りてこよう」とダッシュで教室を出て行った。