第15章 恋愛論XII
あんなに嫌味を言ったのに、ごちそうさまでした、と手を合わせて完食する。
「だ、大丈夫?」
さすがの私もあの茶色の塊を完食した久世の体調がこれ以上悪くなるんじゃないかと心配してしまうほど、私の手料理は見た目がひどかった。
「うん、眠い。」
久世から返ってきた返事が珍しく的を獲ていない。
「薬飲んで寝たらいいよ。」
「みゃあはどうするの。」
「わ、たしは、帰るよ。」
「違う、」
「はい?」
「先輩、どうするの。」
先輩?はて、なにが、どうするの、なんでしょう。私が理解に苦しんで眉を寄せると、はあと大きなため息をついて久世は私に背を向けベットの布団に潜り込んだ。
「ちょ、ちょっとちょっと、放置ですか。」
「あ?風邪で調子悪いんだよ。」
わあお、ブラック久世さん。
て、そういうんじゃなくて。