第15章 恋愛論XII
「どうするの、ってなんですか。
久世さん。」
「まだ好きなの?」
「え、や、あ、の」
それが、めっきりぱったりで、今や久世のことが好きなんですけど、なんて…い、言えるわけない!恐ろしい!冷めた目で見られそうで怖いわ!
「どうにかしてよ、それ。」
「ど、どうにかって、困ります」
「ふざけんな、こっちが、だわ。」
「ふざけてませんよ!真剣に恋してますよ!」
久世さん、可笑しいかもしれませんけど、
いつもボロカス言うあなたが
いつの間にか好きだった。
「…私だって、苦しいんだ。」
ガサツだし、料理なんて出来ないし、頭もいい方じゃないし、顔なんて、笑っちゃうけど、それでも好きな人が他の子に優しく微笑む姿を見続けるのは、さすがにキツいんだ。
「みゃあ、」
久世がそう呼んだので、うつ向いていたを上げた。
真顔の久世は凄く綺麗な顔立ちで、独特の雰囲気を持つ。
おいで、と言われて近くへ行くと、腕を引き寄せられ、気付けばいつかと同じ久世の腕の中。
あれは確か、私が先輩に降られた日。
あの時とは違う気持ちが、私の鼓動を早くして今にも爆発してしまいそうだ。
「…く、せ、あの、これは、」
「黙れよ」
「は、はい。」
甘い雰囲気のずなのに。
「1回しか言わないから、
ちゃんと聞いて。」