第15章 恋愛論XII
「…も、もしもし?」
なんか気まずかった。自分の気持ちを知った今、久世にどんな感じで対応していいのか、わからない。
『……ちょっと、キラキラバカどうにかして…』
電話の久世はいつもと違う気がした。
「…え?あ、ああ。大丈夫、納めましたよ。」
『…そ、よかった、』
「久世が悪いんじゃん。諸星くん心配してたよ。」
『…だって、気持ち悪い。』
「……、」
まあ確かに、彼女か!ってくらいの心配メールの数に若干引くよね。
「で、どうしたの?なんかキツそう。」
いつも静かに話す久世だけど、今日は特に静かだ。というより、弱っている。
『……なんも食べてないからね。』
「え?断食の期間だっけ、今。」
『…肉まん食べたい。』
私の軽いボケをスルーする久世。
「…は?」
『…肉まん食べたい。』
「いや、聞こえなかったわけじゃないんですよ。」
『待ってるね。』
そう言って久世の電話は一方的に切れた。
「………どこで!」
独りの教室でツッコミを入れた後、取り合えずコンビニへ向かった。