第15章 恋愛論XII
「宮原!久世、死んでるかも!」
補講終わり、諸星くんが血相を変えて私の元へやってくる。
「な、なに、どうしたの。」
「見て!メールも電話もしたのに、返事がない!」
目の前に差し出された諸星くんの携帯には朝から一時間おきにかけた着信履歴と、返信マークないメール。
「………きも、」
「え?何?なんて?」
「あ、ううん。たぶんね、死んでないと思うよ。」
「え!?まじ?なんで!?」
「ほら諸星くん、思い出してみて。今まで久世から諸星くんにメール返ってきたことある?」
「…………あ、ない!☆」
「よかった!生きてるよ、久世!」
「うわー、まじかあ!安心して部活行けるぜえ!☆ありがとな、宮原!」
うん、ナイス、愛すべきバカ。
諸星くんが「じゃあまた明日な」と言って教室を出たタイミングで、ポケットに入った携帯がブルル…と動く。
メールじゃない。
「…久世、」
電話だった。