第14章 episodeⅢ 小出政親
「チカちゃん!」
振り替えると俺の生徒たち。
まさか自分が教師になるなんて。
先生が知ったら「ほら、言ったじゃない。」なんて言われそうだ。
「お前らさ、先生、って呼びなさいよ。」
「せんせー。」
「伸ばすな宮原、先生、だ。」
「いいじゃん、京ちゃんはちゃんと呼んでくれるじゃん。」
宮原の隣にいるのは日向京子。1年の時は学校が楽しくない、と言うこいつが今や楽しそうに男とも話している。
「うん、日向、いい子。」
そう言われて、嬉しそうに笑う日向を見て、先生を思い出した。
『 ちか、いい子。 』
だめだ、俺。先生と同じことしてる。