• テキストサイズ

久世くんには恋愛論を

第14章 episodeⅢ 小出政親







 やべ、やってしまった。




「あ、ごめん、悪気はない。」

「もっと悪いわ。」


 確かに。


 勢いの無くなったゆなちゃんが元気無さそうに話した。




「ゆな、めんどうかな。」

「うんたぶんね。」

「まあくん、学ばないな。」

「あ、ごめん。嘘は良くないと思って。」

 あはは、とゆなちゃんが笑う。




「…だからかもね。」


 マックのポテトを指でピンと弾くゆなちゃん。


「だからまあくんに引き寄せられたのかも。…なんか、助けてくれるような、そんな気がしたんだ。」

「…俺、神様じゃないけど。」

「ははっ、いや神だよ、神。格好いいし、オーラあったから神様かと思ったもん。」

「あら、嬉しい。」

「…ゆな、彼氏の前ではこんな風に出来ないんだ。」

「ふうん、もったいない。」

「え、」

「俺、ゆなちゃん好きよ?あ、勘違いするな、好きってそういう意味じゃなくて、神様的な好きよ。」

「神様って自分で認めるの?」

「え?違うの?」

「…ふふ、ううん、違うくない。」

「神様、話ならいつでも聞いてあげますよ。」

「……ゆな、まあくんと付き合いた「やだ、」








 女の人は話を聞いて欲しい生き物なんだ、とゆなちゃんが言った。それは大人の女性も一緒なんだろうかと、先生を思い出す。







 先生は俺に「神様」を求めているのだろうか。


 俺は先生の「神様」になれているだろうか。








/ 211ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp