第14章 episodeⅢ 小出政親
「まあくんて彼女いるの?」
次の日、約束通りゆなちゃんとマックで待ち合わせた。
「いたらゆなちゃんと遊んでないよ。」
「まじ?嘘っぽおい!」
「ねえ、なんなの俺のイメージ。あなた会うの2回目だからね?」
「あはは、まあくんて、真面目なのか遊んでるのか、わかんないよね。」
「ちゃんと補講受けたのに?」
「補講の時点で真面目じゃなくね?」
ゆなちゃんは顔に似合わず、時々砕けた言葉を使う子だ。
「ゆなちゃんこそ、彼氏いいんですか。」
「なんでゆなに彼氏いるって知ってんのー!」
「可愛いから、」
「ゆな、まあくんと付き合いたあい!格好いいから。」
「やだ、」
「え、なんでよ。」
「ゆなちゃんめんどくさそう。」
テンポのいい会話で、何気なく言った一言に、ゆなちゃんの言葉が止まる。