第13章 恋愛論XI
「あ、久世ぇ!遅かったなあ!」
私が皆の元へ戻って5分後、久世は言った通り、すぐに篠崎さんと戻って来た。
「まだ溺死してないのかよ。」
「うん、俺は久世に溺れたい!」
「今すぐに溺れろ。人のいない場所で。」
「やだ!久世ってば大胆!」
二人の会話にクスクス笑う篠崎さんに声をかけた。
「篠崎さん!はい、これ。」
さっき買ったオレンジジュースを手渡す。
「ありがとう、宮原さん。」
私に微笑む篠崎さんが可愛くて、なぜか悲しくなった。
「あ、お前ら腹減ってないの?」
「…せ、先生…!」
チカちゃんの言葉に目を輝かせる私と諸星君。
「こういう時だけ先生言うな。」
調子がいいとは、こういうことです。