第13章 恋愛論XI
「も、諸星さん・・・少し休憩を・・・」
チカちゃんと諸星くんの相手を交代して30分。動きっぱなしの私は目眩、息切れがハンパじゃない。がしかし、諸星くんは涼しそうな顔して、
「宮原、お前も弱いな。」と言う。
「いや、あなたが異常なんですよ。」
この炎天下の中1時間以上動き回ったにも関わらず、ニコニコしているあなたが怪物なんです。
「ていうか、新田くんは?」
もう一人の怪物の気配がない。
「あ、新田なら。」
そう言って諸星くんが指さした先には、三人の水着美女に囲まれた新田くんの姿。
「へえ、光くんっていうんだ。」
「はい、17です。」
「やだぁ、犯罪じゃん!」
「俺、お姉さん達となら、犯罪犯したい気分だなあ、なんて。」
「~~~~~~!ひ、ひかるくん・・・!あっち、行く?」
「て、おい!」
思わずツッコミを入れてしまった。お姉さん達に絡まれる新田くんが私の存在に気づく。
「あれ、宮原さん、いたの?」
「やめれ、犯罪はやめれ。チカちゃんが可哀想。」
お姉さんが私を見てガッカリした顔をする。
「なあんだ、彼女いるんじゃない。悪い子ねえ。」と微笑む水着美女。
「やだなあ、悪いのは俺の男心をくすぐるお姉さん達でしょ?」
「~~~!!か、彼女!」
「え!?」
お姉様達が私の腕をガッシリと掴む。その細い腕からは考えられないような力で。
「お願い!今日だけでいいの!光くん、貸して!」
「あ・・・いや、私彼女じゃないんで・・・!」
「え!そう、なの?」
「は、はい!」
「じゃあ遠慮なく、光くん、お姉さん達と遊ぼ♡」
「という訳で、宮原さん、俺用事出来たからチカによろしくね?」
「・・・・・・。」
友人が犯罪に巻き込まれてしまいました。