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久世くんには恋愛論を

第12章 episodeⅡ日向 京子









 すると、隣の重井さん達が宮原さんに話しかける。




「杏ー!チカちゃん取らないでよー!」

 そんな重井さんに宮原さんがゲンナリした顔をする。


「重井ちゃん、バカなこと言わないで。」
「バカってなにー!」

 重井さんが椅子から立ち上がって身を乗り出すと、仁王立ちで腰に手をあて、重井さんに指を指す宮原さんが、一度大きく息を吸い、そして勢いよく叫んだ。




「私にも選ぶ権利を頂きたい!」



 その言葉に思わず吹き出してしまった。



 隣の重井さん達が驚いた顔して私を見る。グラウンドでも宮原さんと先生、周りの男の子達も目を丸くさせた。




「宮原…、お前やだ。」
「え!?なんで!」
「日向、お前に笑った!」
「い、いいことじゃない?笑われたことに関しては、少し不安があるけれど。」
「俺が楽しくさせるのに!お前もうやだー。」
「先生、あなたそれでも教師ですか、自己中が過ぎます。」




 なんだか少しずつ、学校生活が楽しくなりそうな気がしていた。









 
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