第11章 episodeⅠ橘 有雅
「せんぱーい!」
「…あ?」
クーラーの効いた生徒会室。ずっと一人でいるのが好きだったこの場所。僕の顔の近くで、眉間にシワを寄せた宮原がこっちを見ている。
「聞いてます?」
「興味ない。」
「どうせ、鈴音ちゃん以外興味ないですよねー。」
「わかってるっていうことは、宮原相当なドエム。」
「やめてください、どんだけ変態扱いですか。」
宮原杏、一個下の後輩。少し前に鈴音のことが絡んで、この性格がバレた。これがバレたら終わりだと思っていたけれど、こいつは逆に寄ってきた変わり者。